2019/12/20
いつもお読み頂いてありがとうございます。
以前も話題に上げましたJASRAC演奏権料徴収の件ですが、遂に口頭弁論が始まりました。
普段テレビを見ない自分ですが、たまたまテレビでこのニュースを見てひとつ違和感があったので記事にしたいと思います。
JASRAC報道の件での違和感
このJASRACのニュースを見ていて非常に違和感がありました。
それは、「音楽教室とJASRACが著作権料を巡って裁判」という扱いをされている事です。
NEWS ZERO (ニュース)
電子オルガンを教える音楽教室を取材。音楽教室での演奏をめぐり今日から注目の裁判が始まった。訴えを起こしているのは音楽教室を運営する全国251の事業者。訴えられたのはJASRAC=日本音楽著作権協会。JASRACは音楽教室が使う楽曲について来年1月から受講料の2.5%を著作権料として徴収する方針を決めている。しかし音楽教室側は著作権は及ばないとし提訴。現場からは不安の声があがっており、昭和楽器・櫻井朝子講師は「レッスン代に結局、転嫁されることになると思うので、家庭によってはレッスン代が上がっていくとレッスンをやめることにつながっていくと思う」と話す。既にフィットネスクラブやカラオケ教室などからは著作権料を徴収している。東京地裁で行われた口頭弁論では、音楽教室側は「音楽を学ばせるための演奏は著作権の対象ではない」と主張。JASRAC側は「年間721億円に上る音楽教室の受講料を1円も創作者に還元しないのはおかしな話」と反論し全面的に争う姿勢を示した。
ちなみに、偏向報道だ!とか言うつもりは無く、ネットでもJASRACで検索すると大体同じ話が出てきます。
何が違和感なのか?
違和感の一番の理由は「著作権料」をめぐって争っていると世間的に広まっている所です。
もちろん著作権料を巡って争っているのですが、厳密に言うと、著作権料の中の1つ「演奏権料」、それも音楽教室で教える時の演奏についての「演奏権料」についてのみ争っています。
著作権という広い範囲で言うならば、音楽教室は、楽譜代にも教材にCDがあればCDにも、著作権料は払っていますし、発表会では演奏権料も払っています。つまり音楽教室は著作権料はしっかり払っています。
これを「著作権料」をめぐって争っているという認識になってしまうと、上記ニュースの通りJASRAC側の「年間721億円に上る音楽教室の受講料を1円も創作者に還元しないのはおかしな話」という反論が正論に聞こえてしまいます。
あくまで音楽教室が言っているのは、音楽教室での生徒への見本は「公衆に聞かせる目的」と定義されている「演奏権」にはあたらないと言っているだけです。著作権料を1円も払いたくないと言っている訳ではありません。上記の通り、楽譜代などで著作料を払っています。正直「1円も創作者に還元しない」などとまるで著作権を守らない犯罪者の様に言うのは失礼極まりないと思います。
むしろ、自分もかつてゲーム製作会社で働いていた事もあり、著作権というのは絶対大事にするものだと思っています。しかし、あまり厳しくしすぎず、フェアユースについても考えるべきだとも思います。
まさに「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の教え通り。
著作権を守る事は大事だと思いますが、厳しくし過ぎると逆効果になります。
今回の件は断固、音楽教室側を応援します。
是非、世間には音楽教室で教える時の演奏についての「演奏権料」について争っている(せめて「演奏権料」について争っている)、という認識をもって頂きたいし、そう拡散して欲しいなあと願います。
ちなみに、以前書いた、もっと詳しい音楽教室での演奏権料徴収反対の理由は以下に整理してあります。
JASRACの音楽教室での演奏権料徴収に反対する10の理由
最後までお読み頂いてありがとうございました。